「バジルじゃねーか!また、あったな!」
知った声に驚いて振り返ると、山本がいた。 なんかあったのか?と山本は心配そうに綱吉を見る。そこまで悲壮な顔をしていたのだろうか。
なんでもないよ、大丈夫。ありがとう、と答えても山本は心配げな顔をやめない。
なぁ、なんかあったんだろ?その様子じゃあるっていってるよーなもんじゃねーか。 たとえば、雲雀とかさ…。
さっと顔色を変えた綱吉に山本はやっぱりといった顔をした。 さっきこっち帰って来る前にあいつに会ったんだよ。そーとーイラついてたぜ。 群れを咬み殺しまくってた。だから、何かあったのかと思ってさ。 …なぁ、全部じゃなくていーんだ。何があったか、聞いてもいいか?
綱吉は、雲雀に嫌われたのだと話した。 彼に嫌なことを言って、不快な思いをさせてしまいこんなことになっているのだと。
…でもよバジル。お前は、雲雀を救いたかったんだろう?
え…?
今みたいな雲雀が見たくなかったんだろ?前に会ったときからお前、 雲雀のために必死だったもんな。
雲雀のため…?いいや違う、自分のためだ。 彼に会いたかった。彼のあんな姿を見ていたくなかった。 元に戻った彼と、語り合えたらと思った。彼に幸せになってほしいと思った。 …自分に気づいてほしいと思った。すべて自分の、エゴだったのだ。
彼のためなんかじゃなくて。全部、自分の願いをかなえるために。
そんなことないよ、と綱吉は吐き出すように言った。けどよ、と山本は綱吉に反論しようとしたときだった。
雲雀が、いた。彼がこちらに気づいてるのかはわからないが、マンションに帰るところなのだろう。 彼の両手には愛用のトンファー、その棒の部分には血が付着しているようだった。服装も先ほど見たときと比べて乱れていた。






星に願いを