「お疲れさまでした、綱吉」
目の前に再び現れた男は、呆れたような顔をしたあとで、言った。
「あれ?オレの名前…」
「どうして知っているかって?それは、秘密ですよ」
クフ、とおかしな笑い方をする。 そういえば、と綱吉は思い出す。直感、当たったなぁ…。嬉しいような、うーん、なんとも。
「骸、だったよな?」ありがとな、と綱吉は笑って言った。不意を突かれたのか骸は固まる。
「…骸?」
「次は僕も参戦しましょうかね…」
ぼそぼそと何か言っているが聞こえない。
「おい、骸ってば」
「何でもありません、クフン」
咳払いをして誤魔化しクフフと笑うと、じとっと綱吉に不審な目で見られた。
「……骸。お前、笑い方が胡散臭い」
「んなっ!なんてことを言うんですか沢田綱吉!」
綱吉の苗字まで知っているなんてますます胡散臭いというかなんというか。
「人がせっかく…」
ぶつぶつと文句を垂れるので、綱吉は、あー、はいはいと遮った。
「オレはこれからどうなるんだ?」
「あぁ、そのことですか。大丈夫ですよ、すぐお迎えが来ます」
「へ?」
「また会いましょう、綱吉」
骸は笑ってお別れを言う。
「今度は、幸せになるんですよ。」
ならなかったら、僕が幸せにして差し上げます。
「う、うん、ありがと……」
どこか含まれたような言葉にぶるりと震えたが、綱吉は素直にお礼を言った。
「では、Arrivederci!」
その刹那、綱吉の体は光に包まれた。最後の言葉の意味も聞けぬまま。
――――世界は、変わる。






星に願いを