俺は、お前にはどう見えているんだろうか?
「ジェイドー」
「なんですか、今は邪魔をしないで下さい」
「……ごめん」
俺が呼べば、彼はこちらを向いてくれるから。
綺麗な紅い瞳で俺を見てくれるから。
彼が大事な仕事をしてるというのに、何度でも呼んだ。
その度に呆れられ、それでも彼はこちらを見てくれた。
あぁ、なんて紅いんだろう。
眼鏡に遮られた紅い瞳を何度直に覗きたいと思っただろう。
その瞳は、何の感情も浮かんでいなかったけれど。
なんて暖かい色なんだろうと思っていた。
「なんですか。突然謝ってくるわ、人のことを凝視したりするわ」
「……ん、なんでもない」
はぁ、と溜息をつかれる。あぁ、また呆れられた。
「私を見ているのは結構ですが、邪魔をしないで下さいね」
え?
「ルーク?聞こえていますか?」
「ん、あぁうん……へ?いいの?」
「何がです?」
「ジェイドを見るの……つーか、気づいてたんだな」
でも当たり前か。俺は暇があればジェイドを見ていた。ずっと彼を目で追っていた。
その自覚はちゃんとある。
「馬鹿ですかあなたは。あんなにじろじろ見られて気づかないわけがありますか」
「ごめん」
「やけに謝ってきますね、あなたは」
「……ごめん」
ジェイドは立ち上がって俺の傍までやってくる。そして俺の目を覗き込んだ。
心配するような目が俺を見ている。
「もういいです、聞き飽きました。あなたの『ごめん』は」
「うん……ごめ「ルーク?言った先から何をおっしゃっているんですか?」
「……あ」
ちゃんと聞いてるんですか?そんな声が聞こえてくる。
俺は綺麗な紅から目が放せない。
どうしてこんなに綺麗なんだろうか、
「ルーク、なぜ泣くんですか」
「え……?」
ぽたりぽたりと頬を伝い、雫が床に落ちる。
それをジェイドはじっと見つめ、少し逡巡した後に、手を伸ばして俺の濡れた頬をその手でぬぐった。
「私が恐いんですか?」
「こわくなんか、ない!」
ちがうんだ。ちがうんだ。そういうんじゃなくて。きれい、だから。
「どうして?」
「……綺麗だから」
「綺麗?」
彼は困ったように眉を寄せる。
「うん、……ジェイドは、きれいだから」
だってジェイドの紅は綺麗なんだ。
とても綺麗な色だ。その綺麗な色の中で、俺はどう映っているんだろうか。
「……あなたの方がよっぽど…いえ、何でもありません」
「ジェイド?」
「もう少しで一息つけますから。それまで大人しくしていてください」
「うん」
こくりと頷いて、紅をみた。
ジェイドは少し複雑そうな顔をしてもといた場所に戻る。
どうしても紅を見ていたくて俺はその場を離れずにいた。
すると紅がこちらを向いて、こちらにきなさいと手で招く。
「終わるまでここに座ってなさい」
そこはジェイドが見える特等席。目の前に彼が座っている。
「好きなだけ、みていていいですから」
棒のように突っ立っているのは止めなさい。邪魔になります。
じゃあ、ここで見ているのはいいのか? なんて聞けなかった。
何色に見えていますか、俺は。
罪の色、赤に見えますか。
朱にみえますか。
それとも、何色ですか。
俺には、わからないんだ。
久々の文章はちょっと(かなり)おかしい。
2009/03/02 chisa