「急に降ってきたな!」
激しく降る雨はルーク達を濡らす。服がじんわりと濡れて、少し気持ちが悪い。
「そうですねぇ、この辺で休憩にしましょうか」
止みそうにない雨。ジェイドは空を見上げ、ルーク達を見渡してそう言った。
でてこない言葉はむりやり吐きださせてください
「珍しいなジェイド」
なかなか止まない雨に一日暇になってしまった一行は、宿をとり男女別に部屋をわけたが、今はガイとジェイドしかいない。
ひとりペットを連れたお子様は、どこかへ遊びに行ってしまったようなのだ。
そんなお子様を心配するガイは言う。
「何がです?」
「旦那が自分から休憩を言い出すなんて」
「濡れると風邪をひくでしょう。馬鹿は風邪をひかないとは言いますが、
女性陣もいることですし、降りやみそうにないですからねぇ。まぁ、偶にはこんな日があってもいいでしょう」
「ははは、ルークに言うと怒られるぞ?」
言外にルークのことを言っているジェイドにガイは笑いながら言った。
「私は正直者ですから」
「ま、いいんだけどさ。それよりジェイド、ルークはどこに遊びに行ったんだろうな。
少し遅すぎやしないか?」
「……そうですか? 案外近くでティアやアニス当たりに捉まっているのかもしれませんよ」
「そうかもなぁ。だが……」
心配だ、ガイがそう続けようとした途端、バタンっと大きな音を開けて、朱毛の子供が走りこんできた。
片手にはぐるぐると目を回したミュウがいて、子供は息を切らしてゼーハーと言っている。
「おかえりルーク、心配したんだぞ?」
「た、ただいまガイ、……はぁ、疲れた」
「情けないですねぇ〜」
ルークは声の方向を振り向いて、目を開いた。
どうやらドアで死角になっていたのかジェイドの姿が見えていなかったらしい。
驚いたように口をぱくぱくと金魚のように開閉する。
「仮にも剣士でしょうに。……あぁ、貴族のお坊ちゃまでしたね、すみません」
ジェイドはルークに言う。その顔にはなぜだかなんの感情も浮かんではいない。
「おいおいジェイド」
「いいって、ガイ。ごめんなジェイド、驚いたりして。……ただいま」
「遅いですよ」
どうやらルークにすぐに気づかれなかったことが原因らしい。
ジェイドは眉根を下げるルークに憮然と言った。
ルークはそんなジェイドを見てくすくすと笑う。
「なんですか」
「いや、ジェイドが拗ねてるところなんて初めて見たと思って」
「………。…ルーク、口紅をぬったんですか?」
もとから紅色だったルークの唇はいつもとは違う桜色に色付いていた。
ジェイドはそれに気づきルークに言う。
「え゛……あいつら……!」
「どうせ暇だからとかなんとか言いくるめられて、やられたんでしょう。
いや〜似合ってますよ? お化粧。そのまま女性になったらいかがですか?」
ジェイドは笑ったお仕置きだと言わんばかりにルークに言い放った。
「……なんだよそれ。俺はアニスたちから振り切って逃げてきたんだぜ」
「えぇ、わかってますとも」
「いやがらせか」
「さあ?」
ジェイドは首をかしげる。ルークはそんなジェイドを白けた目で見てから、溜息をついた。
(素直じゃない奴)
彼が本心で似合ってるなどと言ってくれたならば、自分は喜んでする、…かもしれないけれど。
「まぁ、いいやジェイド、」
「なんです?」
チュッと彼の頬に軽くキスをした。唖然とジェイドはルークを見る。
ニヤリと、悪戯が成功したとでも言うようにルークは笑った。ジェイドの驚いた顔は新鮮だ。
だがそんなルークの余裕はジェイドによってなくされる。
ジェイドは数秒固まったが、すぐに気を取り直して戻して、ルークに向って行動を起こしたのだ。
「うわっ」
ジェイドはルークの手を掴むかと思うと引っ張り、ルークごと引き寄せた。
「やってくれますね」
ぼそぼそと耳元で低い低音で囁かれてしまえばルークは固まるしかない。
「お仕置きです」
顔をルークの耳元に寄せていたジェイドは、そのままルークの耳を噛んだのだった。
「あのーそこのお二人さん?」
空気が、入り込めない。ガイは戸惑いながらもルーク達に声をかけた。
が、彼らは気づいているのかいないのか、こちらを振り向かないで無視をしてくる。(ジェイドに限っては絶対に態とだ)
「もしもーし」
無理だ。聞こえてない。ていうか、もうこっちが恥ずかしくなるぐらいの甘い空気が二人から流れている。
居た堪れなくなってきたガイは、仕方なくその場を後にするのだった。
子供の後ろ姿とその横に立つ男の姿に涙を呑んみながら。
言ってください嘘でもいいですbyafaik
ガイが出てきた!ジェイルクサイトさんはどこでもガイは可哀相な役ですが家でもそうみたいですね!(笑
といいますか、ガイ、出なくてもよかったような……。
2009/04/318 chisa