大人ヒバリさんとヒバリさんよりも年上なつな子。



 ―――あの子、いつも同じ電車に乗ってる。
少しばかり朝のラッシュ時間をずらした出勤時間、雲雀はいつもと同じ電車に乗り、同じ立ち位置で立ち止まる。
みため中学生、いいところで高校生くらいにしか見えないそのオンナノコは、おしとやかにかわいらしい服装をして、いつもと同じ席に座っている。
本を読んだり、ときどき携帯をいじったり、窓の外の景色をみたり忙しないのでやっぱりまだ幼いんじゃないかと思うんだけど、たまに聞こえてくるその子の電話で話す声を聞いていると(聞こえてしまうので盗み聞きではない)その子が学生ではなく働いている女性だということを知った。
電話がかかってくるたび申し訳なさそうに周囲を見て、その子を見てくる周囲の人間にぺこりと頭を下げる。僕とも目を合わせたその子は、本当に申し訳なさそうな顔をしてぺこり、頭を同じように下げた。
がたごと、がたごと、電車が揺れる。決まった駅でその子は降りる。そこは僕と同じ駅だ。
その子が席を立つときに僕と目がばちっと合った。にこり、微笑まれてその子は先に電車から降りていく。
待ちなよ、なんなの君。僕の心かき乱さないでよ。
僕が電車から降りた時にはその子はすでにホームにいない。
……まぁ、いいや。
明日、この電車でまた、君に会えるだろうから。





2013/03/22 ちさ
タイトルがまんまなお話(笑)ろりばばぁなツナ子と雲雀さんでした。
こんなへたれな雲雀さんもすきです(*´∀`*)